日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

稼働検査  ~入居後の検査~

家づくり援護会の欠陥住宅予防検査では、工事中の検査だけではなく、

家が完成し、入居してから3~6か月の間に稼働検査を行っています。



住んで、生活をし始めて、初めて分かる不具合もあります。



大切な検査なのです。



床下に潜り込み、給水管や排水管の水漏れも初期の段階で

稼働検査で確認ができます。





その際に時々写真のような状況が見られることがあります。





家が完成する間際に電気業者さんや設備業者さんが

配管をする為に穴を明けて出たおが屑が床下にそのまま残っているのです。



現場監督さんが建物の引渡し前に床下に入り、

清掃状況を最終確認することは、まずありません。





これだけのおが屑があるとシロアリの温床となる可能性もあります。





家づくり援護会では、家づくりにとってどのような検査が

必要であるかを長年の検査実績より研究をし、考え続けています。



関西:鉢嶺 民雄



稼働検査  ~工事中以外の検査も大切です~

イエンゴ第三者検査の欠陥住宅予防検査。

その特徴である検査のひとつに稼働検査があります。



家が完成し、入居してから3か月~6か月の間に検査を行います。

一般的な第三者検査は、工事中に限った検査です。

勿論、工事中の検査も大切ですが、建物は入居して初めて、

生活を始めてからしか分からない不具合の発生もあります。



例えば、排水管の水漏れなどがその一例です。



先日の稼働検査の床下で起こっていた事例をご紹介します。

それは、床下断熱材の施工不良です。



厚さ100mmの断熱材が落下し、床下に落ちているものや、

垂れ下がっているもの、ずれ落ちそうなものが見つかりました。

他の箇所でも断熱材がずれているものもありました。



これでは、断熱材の効果が発揮できず、冬場の床下の冷たい空気が

室内に影響を与えてしまいます。



人間で例えると、冬場に

厚手の高価なコートを着ているのにも関わらず、

肩がはだけて出ているといった状況です。



普段見ることのない床下ですが、実は大事な検査なのです。

これが豊富な検査経験による家づくりの援護会の第三者検査です。



一生住み続けていく家です。

安心して快適に暮らしたいものです。




関西:鉢嶺 民雄


床裏断熱材の落下、ズレの状況


なぜ平気で使えるのか?

 当会で検査をした建設会社さんの排水管の写真です。

 実はこの排水管は、あるハウスメーカーさんの社名印字シールが貼ってある製品でした。



 下請け設備業者さんがそのハウスメーカーの仕事もしているため、在庫を持っていて別の建設会社のこの建物で使用した訳です。


 当初から使用予定の排水管と同仕様の素材のものを使っていれば、性能は同等だから問題なしという判断のようです。

 仰る意味は解るのですが、建て主さんからすれば、他のハウスメーカーの建物で余った材料を、断りもなく自分の家づくりで堂々と使われた訳ですから気分の良いものではありません。

 下請け設備業者さんの感覚と、他社の社名が入った部材を自社の建物に存在することに平気な現場監督さんの感覚が理解できませんでした。



 たぶん印字されていたハウスメーカーさんは、下請け業者さんにはオリジナル部材を他社の現場での使用を禁止しているはずですので、ルールを破る下請け設備業者さんに対して、この後の建物内部配管の工事を任せるのが心配になってしまいます。

 
 もちろん検査時に建て主さんには報告致しました。

関東:石川 克茂



外壁のチェックポイント

 家は必ず経年劣化してきます。


 定期的なメンテナンスを行うことが、家を大切に永く使い続けるためには欠かせません。

 そのなかでも常に風雨にさらされ、太陽にあたり続けている屋根と外壁は特にメンテナンスが必要とされます。

 建ててすぐの時はきれいな屋根や外壁も、年月とともに徐々に劣化が進んでいきます。




 外壁についてご自分でもできるチェックポイントをお伝えします。

 サイディング張りの場合、全体を手でこすると白いチョークを塗ったようになると塗装するタイミングになって来ていると言えます。

 また、タイル調や石目調など、ガラが入っているサイディングだと全体的にはきれいでも、劣化してくると雨漏りの原因にもつながりかねないのが、サイディング同士のつなぎ目にあるシール部分です。

 パッと見はきれいな状態の外壁も、シール部分を見ると亀裂が入って隙間が空いてきていることがありますので、これもメンテナンスのタイミングと言えます。




 屋根や外壁は、10年から15年ごとにメンテナンスが必要と言われますが、ご自分で外壁を見てみることも良いと思います。

 その他にも、気が付かなかったことが発見できる場合もあるかもしれません。

 お部屋の中は見ていても。外回りは普段じっくり見ることが無いと思いますので、たまには家を見つめ直すきっかけになると思います。




 ご自分の家の状態を知っていれば、突然やってくる訪問悪質業者にも騙されることもなくなります。
 
 不安なことを言われたら、その場では返答せずイエンゴにご相談ください。


理事長:植田 達二


現場監督の仕事

 家を建てる際に現場監督が行う仕事は、大きく分けて、

 1.工程管理
 2.予算管理
 3.安全管理
 4.品質管理

と4つあります。


 1.の工程管理は、引き渡し日に間に合うように日程・工程を管理すること。

 2.の予算管理は、契約金額内で現場が納まるように原価管理をすること。

 3.の安全管理は、職人さんが安全に作業できるようにすることや

近隣の方の安全を確保することです。

 どれも大切なことですが、建て主にとって最も大事なのは、

やはり4.の品質管理ではないでしょうか。



 それが、現場サイドでは品質管理ではなく、引き渡し日を厳守するということに

重きを置いているようです。特にハウスメーカーでは顕著です。


 なぜハウスメーカーが工程管理を重視するかというと、

建て主さんは、賃貸住宅や仮住まいの方が多く、

引き渡し日が遅れると即、追加家賃が発生してしまい、クレームとなる。


 その結果、施工業者の家賃負担となってしまうからです。


 現場担当として沢山現場を持たされているハウスメーカーの現場監督は、

一番大切な品質のチェック、管理を行う時間が無いのが現実なのです。

その結果、現場を職人さんに任せっきりにしていることが実は多いのです。


 誰のチェックも受けずに現場が進み、完成してしまう。

 従って要所要所でしっかりとした第三者のチェックの目・検査が必要なのです。

 必須と言っても過言ではないかと思います。


 何事もそうですが、一人の目だけではなく、

 違う目で確認を行うダブルチェックが現場では特に大切なのです。

関西:鉢嶺 民雄


穴の周りをテープしてあるが、隙間があり雨漏りしてしまう。