日々イエンゴ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

間取り検討で収納を考慮

 建売住宅の洗面所を見ると、洗面化粧台の引き出し収納以外には

収納物入れが無いことが多いです。



 そのまま生活すれば、洗面化粧台の引き出しの中には物がぎっしりになり、

収納が足りなくなることが皆さん多いようです。


 そのために洗面所にタオル置き場としてキャスター付きワゴン棚などを買い足すようになり、

「広め」と思っていた洗面所が狭くなってしまっているお宅があるように感じます。

注文住宅で建てるなら、建売住宅の間取りを真似ず、収納も意識した計画にしましょう。


 写真はイエンゴ設計教室に参加された方が間取りデザインした新築住まいの洗面所。

当会で間取りデザインのサポートもさせていただきました。



 当会では「イエンゴ設計教室」という少人数制の講座を開催しています。

ご夫婦で参加して意見のまとめに利用してください。


 https://www.iengo.ne.jp/side/ssapo/ssapo_k.htm


関東:石川 克茂



樹齢

会津若松 鶴ヶ城の北側入口近くにアドリアと言う喫茶店があります。

そこに飾られている欅の一枚板は幅2.2m厚さ22cm高さ5.4m

樹齢は800余年です。

奈良の室生寺の近くの水分神社の御神木として天然記念物に指定された欅の木が

老化の為倒壊の恐れがあるとし、天然記念物を外し伐採されたそうです。

長さ2mもあるチェーンソーにより現場で2枚の板を切り出し入札により販売し、

倒木の費用にしたそうです。樹齢800余年と言うと弘法大師空海がおられた時代です。

もしかしたらこの木の下で空海も休まれたのかもしれないと思うとロマンを感じます。


名古屋城本丸御殿のある床の間の板は幅90cmの桑の一枚板です。

樹齢500年以上の桑の木、直径は1.2m以上でした。


とんでもない樹齢の木材がある一方、住宅に使われる木材は年々樹齢が下がってきています。

桧は50年、杉は50~60年が一般的になっています。

使われる木材がある一方で、その周りには手入れがされなかった為に使えない木材が

日本の山に有り余っています。山の1区画には一斉に植林されます。

その1区画が50年を経て成長すると南側の日当たりの良い場所の木と

北側の日の当たらない場所の木では成長に差が出ます。

直径は育ちが良ければ50cm悪ければ15cm程度。そのどれもが樹齢50年なのです。



奈良の北山では台杉と言うタルキ用の木材を生産しています。

台杉は通常3本セットで最上部の枝を残し全ての枝を切り落とし

60年をかけて直径10cm以下になるように木材を作っています。

かつては社寺仏閣や茶室のタルキの材料として重宝されましたが

需要が無くなり生産量は格段に減ってしまいました。


今、日本のウイスキーが有名になり各地にウイスキー醸造所が作られています。

そこで必要になるのがウイスキーを貯蔵熟成する樽です。

樽の材料はナラ材です。日本中でミズナラの争奪戦が始まっています。

ミズナラは広葉樹で雑木と言われています。

約20年で伐採が可能ですがあまり植林はされていません。

熊の被害が増える原因の一つがミズナラの身であるどんぐりの減少です。

ミズナラの減少は熊の被害と結びついているのかもしれません。


この頃少しずつ、山に活気が出てきている気がします。

それぞれの樹木に適正な樹齢がありうまく利用する事が大事です。

山の価値が復活し、山の仕事で生活ができるようになれば

日本の経済も変わるだろうと考えています。


東北:関 清


桐のフローリング

 桐材と言えば箪笥を思い浮かべると思います。


 高級家具ですね。


 昔は下駄やまな板と言った生活用品にたくさん使われていました。

植えてから15年から20年で成木となるので、

女の子が生まれると庭に苗を植え、その桐材で嫁入りダンスを作ったと言う話を聞きました。


 その桐材を使ったフローリングがあります。

やわらかい木ですので傷がつきやすいのですが、

そのやわらかさが肌に心地よく転んでもケガをしにくいのが特徴です。


 比重0.28~0.3と軽い素材は空気をたくさん含んでいて断熱性に優れています。

他のフローリングに比べ暖かく感じます。

素足で生活するのに適しています。

桐材は傷つきやすいのですが復元力があり、

水を含ませアイロンをかけることで修復できます。

値段は安くはありませんが面白い素材だと思います。


 桐材の産地は多々ありますがその一つに新潟の五泉があります。

昔は需要があったので山も手入れがされていてたくさん生産されていたようです。

今は家具としての需要も減り、山に手を入れる余裕もなく、

用材としてはほとんど使えないようです。


 そこで中国の人件費が安かった頃、中国で植林をして桐材の生産を始めました。

桐材にはアクがあってアク抜きをしなければならないのですが、

それも中国で丁寧に指導して良質の桐材の生産ができるようになりました。

ところが、中国の人件費が上がってしまって、

日本の企業が経営することはできなくなったようです。

今はただ単に製品を中国から輸入しています。


 日本の人件費が安くなってしまった今、

山の再生ができる時代になったのではないのかなと思うのです。

桐のフローリングや家具の需要が増え、

いつの日かまた五泉の山で桐の生産ができるようになるのを願っています

東北:関 清


間取りの工夫で広く住む

 当会設計教室の受講者さんに「どんな間取りにしたいか」と尋ねた時、

「今より広く」とお答えになることが多いです。



 もちろんその通りで、そのイメージを持つことは理解出来ますが、

単に「広く」することでは意味を成さなくなる可能性もあります。



 現在の住まいと同じような間取りや使い勝手のまま、

スペース(帖数)だけを広くしただけでは、

結局広さを活かせていない結果になる可能性があります。



 例えばキッチン。

以前より広くなったからといってキャスターワゴンやゴミ箱など置き始めると、

結局物が増えただけで、使い勝手は変わらず、見た目にも煩雑になります。

それならスペースを広げるのではなく、収納箇所数や面積を増やしたほうが良いでしょう。



 例えば玄関。

下駄箱があってもタイルの上にたくさん靴が置かれて踏み場がない方は、

玄関スペースを広くしたり下駄箱を大きくしても片付かないかもしれません。

スッキリした玄関を目指すなら、シューズインクロークを隣に設けて、

オープンな棚に簡単に片付けたほうが良いでしょう。

(写真:https://www.facebook.com/share/p/V8dWrFBeKczZCGpp/)



 注文住宅を計画している方は、

間取りの工夫で広く住む方法を設計者さんとよく打ち合わせすることをおすすめします。

その為には家族で住まい方の意見をまとめておくと良いでしょう。



 当会では「イエンゴ設計教室」という少人数制の講座を開催しています。

ご夫婦で参加して意見のまとめに利用してください。


 https://www.iengo.ne.jp/side/ssapo/ssapo_k.htm


関東:石川 克茂



どうせならこだわろう

 住宅を新築したり、あるいはリフォーム・リノベーションをする際に、

どこかしら「こうしたい」「あれしたい」というのがあるはずです。


 
 限りある予算の中でどうやりくりするかですが、

自分のこだわりを優先することによって、家に愛着が沸きますよね。


 せっかくですから、こだわりを持って取り組んでみませんか。


 一例ですが、使いやすいように作る一点もののオープンキッチンにしてみるとか。

 水に強い木材で水廻りにフローリングを敷くとか。

 手に合うよう手摺の径を変えるとか。隙間収納を作るとか。

 趣味のものを展示できる棚を作るとか。etcetc・・・



 住む人100人いれば100通りの、様々なこだわりがあるでしょう。

 住み方は自由です。使いやすよう、安らげるよう、こだわりましょう。




 家づくり援護会では、「イエンゴ設計教室」という講座を開講しています。

 新築でもリフォーム・リノベーションでも家づくりに関して、

「何とかしたいなぁ」とお考えであれば、是非ともご相談ください。




関東:大垣 康行


タガハウス株式会社 オリジナルキッチン   天板は1枚ものの天然木使用。  正面に収納を付けて、扉表面を同じ材料で作成している。

タガハウス株式会社 オリジナルキッチン  天板は1枚ものの天然木使用。  食洗器などの扉表面を同じ材料で作成している。