関西・東海・九州支部 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

筋違(すじかい)


家の構造材のひとつで『筋違』というものがあります。




「すじちがい」ではなく、「すじかい」と読みます。

最近では、間違った字『筋交』が使われていることよく目にします。

ハウスメーカーの図面や木材加工専門であるプレカット業者さえ

『筋交』と図面に書いている。



文字・漢字はそれぞれが意味を持っています。

交わるのではなく、違える(たがえる)のです。

それが『筋違』なのです。



パソコンで手軽に漢字変換すると『筋交』の文字が出てくるので

何の疑いもなく使ってしまっているのが現状ではないでしょうか。



「建築大辞典」(彰国社)には、きちっと『筋違』と書かれており、

筋違とは、四辺形に組まれた軸組に対角線状に入れた補強材。

風や地震力などによる水平力に抵抗し、四辺形が菱形に変形するのを防ぐ。

と記されている。



また、建築基準法施行令第45条は、

残念ながら漢字ではなく、ひらがなで『筋かい』と書かれている。

これには何故?と思ってしまう。

建築基準法は、いわゆる専門家が使う法令集なので『筋違』と漢字で

表現してほしいものです。



その施行令45条には、筋違について下記のように記されています。(抜粋)

・圧縮力を負担する筋かいは、厚さ3㎝以上で幅9㎝以上の木材を使用したものと

しなければならない。

・筋かいは、その端部を柱とはりその他横架材との仕口に接近して、

ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない。

・筋かいには、欠き込みをしてはならない。ただし、筋かいをたすき掛けにするために

やむを得ない場合において、必要な補強を行ったときは、この限りでない。




もう少し日本の木造建築を大切に正確に伝えていってもらいたいものです。








関西:鉢嶺 民雄


斜めの材が「筋違」


危険なブロック塀

 写真は、住宅街を歩いていて目に留まったブロック塀です。

ブロックの段数を数えると・・・・・・14段+基礎。

その高さ、なんと3.2ⅿです。

お隣との境界になぜこんな高い塀が必要だったのでしょうか?

隣家の1階部分が全く見えないほどの高さです。


 ブロック塀について建築基準法を確認しますと、

1.塀の高さは、2.2ⅿ以下とする。
2.壁の厚さは、15㎝(高さ2ⅿ以下の塀にあっては10㎝)以上とする。
3.控壁は長さ3.4m以下ごとに、壁面から高さの1/5以上突き出したものを設ける。
(高さ1.2ⅿ以下の塀は除く)

このいずれも満たしていない、いわゆる違法なブロック塀です。

おまけにブロックにひび割れもあり、傾きもありました。

大変危険です。


 1)~3)については、外見上だけで判断できるものですが、

内部に規定の太さの鉄筋が必要な本数キッチリと入っているのかまでは分かりません。

大きな地震が起こってからでは遅いのです。


 阪神淡路大震災から30年。

ブロック塀の倒壊により被害を受けた方も沢山おられます。

ブロック塀は重量もあり危険なので、地震大国の日本では、

できれば他の材料で塀を造ることをお勧めします。


 行政によっては、道路側に立てられたブロック塀の解体撤去費は、

補助金が出ることがあるようです。

残念ながらこの写真のような隣地との間のブロック塀には適用されないようです。


 このような違法のブロック塀に万が一、

何かあった場合には所有者責任となってしまいます。

気になる方は、一度確認されては如何でしょうか。

関西:鉢嶺 民雄


稼働検査  ~入居後の検査~

家づくり援護会の欠陥住宅予防検査では、工事中の検査だけではなく、

家が完成し、入居してから3~6か月の間に稼働検査を行っています。



住んで、生活をし始めて、初めて分かる不具合もあります。



大切な検査なのです。



床下に潜り込み、給水管や排水管の水漏れも初期の段階で

稼働検査で確認ができます。





その際に時々写真のような状況が見られることがあります。





家が完成する間際に電気業者さんや設備業者さんが

配管をする為に穴を明けて出たおが屑が床下にそのまま残っているのです。



現場監督さんが建物の引渡し前に床下に入り、

清掃状況を最終確認することは、まずありません。





これだけのおが屑があるとシロアリの温床となる可能性もあります。





家づくり援護会では、家づくりにとってどのような検査が

必要であるかを長年の検査実績より研究をし、考え続けています。



関西:鉢嶺 民雄



「住宅産業」住宅は産業?

「住宅産業」、世間では時々耳にする言葉ですが、

「住宅産業」というその言葉自体に少し違和感を覚えてしまいます。



いかにも大量生産で画一的な家を建てているハウスメーカーの

ためにある言葉と思われます。



コツコツと一軒づつ丁寧に作られた家のイメージが

「産業」という言葉からは湧いてきません。

「家づくり」と「産業」という文字は、そもそも馴染まないのではないか。



そんな中、もともと住宅の業界ではなかった全く関係の

ない業界からこの業界への参入が始まっています。

なんと、自動車メーカーT社や家電販売企業Y社が家を造るというのです。

家電屋さんが「電気自動車と家」をセットにして販売するという。



住宅建築を専門にする大手ハウスメーカーでさえ、

色んな問題を起こしているのにも拘わらず、

異業種からの住宅業界への参入です。



一方、大手ハウスメーカーD社は、

人口減少などで日本国内のパイが減ってきているため、

海外へ進出しだしているようです。

海外比率50%を目指すとか。



日本の街並を変えるだけでは飽き足らず、

海外の古き良き街並みまで変えていくつもりなのか。



これからの時代はなおさらのこと

家づくりを依頼する側(建て主)が、しっかりと考えを持ち、

施工業者を選別しないといけない時代になってきたように思われます。



関西:鉢嶺 民雄


数値に惑わされない ~過剰な仕様は誰のため~

最近では、家の性能を数値化し、

あたかも分かり易く比較できるようにしているかのようにも見える。



例えば、断熱性能。

数値を追うばかり、数値の比較だけで住宅の良し悪しの判断基準にしてはいないか。

大阪においてグラスウールの断熱材を天井裏に3重も重ねる。

あるハウスメーカーがやり始めると、メーカー同士比較されるため、

他のメーカーもこれに追従し断熱材を3重に重ねる仕様に変更する。

果たして大阪の地でグラスウールを3重に重ねる必要があるだろうか。

当然、その分の金額負担は建て主に帰ってくる。



吉田兼好の徒然草の中の言葉に

「家の作り様は夏を旨とすべし」という言葉がある。

「冬はいかなる所にも住まる。暑き頃、悪き住居は、堪え難きなり。」

そもそも高温多湿の日本における住まいづくりの元となった考えでもある。

気密や断熱性能を上げるがために窓を小さくしたり、トイレや浴室の窓を無くしたり。

文明の利器である換気扇があるから、エアコン1台で室内環境は良好ですと謳う。

本当の住みやすい家、使い勝手のいい家とは。

メンテのし易さ、点検のしやすさ、世代を超えて住み継がれる・・・・・等々。



日本の気候において建物にとって本当にいい仕様、家の作り様とは。

自然に逆らわない、自然とともに生きていく建て方とは。

四季があり梅雨がある日本において自然環境を遮断する建て方ではなく

積極的に自然とかかわっていく昔ながらの家づくりが

本来は建物の寿命を延ばすのではないでしょうか。



最近の家づくりは、あまりにも人間を過保護にするものに思えてしようがない。

地域性を考えず、作り手側・大手ハウスメーカー主導の家づくりを

そろそろ見直す時期に来ているのではないだろうか。


関西:鉢嶺 民雄