ハウスメーカーの現場確認の現状 その2
ハウスメーカーの現場確認の現状 その2
下記の写真は、当会の「欠陥住宅予防検査」で撮影の1枚。
室内の耐力壁(建物構造上の重要な壁)で、壁の下側を留めるビスが配管があるため打てない状況です。
これを根本から修正するためには、配管を一度外してビス留めしたあとに再度配管を工事するようです。
なぜこのような状況になってしまったか。
これは現場監督が、室内の耐力壁と配管の関係を見落としてしたと思われるからです。
このように配管がある箇所のビス留めは、配管より先に先行して工事しておかなければなりません。それを理解していなかったか、忘れていたのか、工事の段取りが逆になってしまったのです。
そもそも現場監督には事前に「耐力壁の検査」があることは伝えてありますので、当会の検査前にチェックしていればわかったことだと思いますし、それ以前に室内の耐力壁と配管の関係を理解していれば工事の順序も逆だったはずです。
これは以前のブログでも書いてありますが、ハウスメーカーの現場監督は担当件数が多く内容を詳細に把握できていないことが原因の一つかと思います。工事の進行が滞らないことが主な仕事で、図面の把握、現場の状態確認までできていないのではないでしょうか。ハウスメーカーは家づくりを数多く・工程を早くすることで利益を得ています。その弊害の一端がこのような事象として出ているのも事実だと思います。
関東:大垣 康行