関東・首都圏 活動ブログ

全国の会員が日々の相談・検査・設計・研究などの活動から皆さまに役立つ事例、家づくりに関する地域の情報、社会情勢ニュースに対する専門家としての意見などを発信していきます。

地域の「職人技」と「素材」が、家づくりをまた元気にする

当会では「地域の、地域による、地域のための家づくり文化」を

「地の家」と呼んでいます。



姉妹NPOの地の家ネットでは、活動趣旨である「地の家八誓」に賛同する地域工務店により、

「地の家」を全国的な活動として展開しています。



地の家の復権は現在の家づくりが抱える矛盾の多くを解決するばかりでなく、

地方の自立や活性化を促す大きな力になると考えています。

言わば、「ハウスメーカーの家」とは異なる住まいづくりです。

家づくりの仕方がハウスメーカーとは異なるのはもちろんのこと、

地域工務店としての心意気や誠実さは、

その地域に暮らす方の住環境の安心に繋がると考えます。


私たちは地の家の復権を目指した活動を「地の家運動」と称し、

各地の工匠が連帯してその推進に取り組んでいます。



埼玉県でも当会が推奨している建設会社がありますので、

お話をお聞きに行っても良いかと思います。

地域と共に存在している建設会社で、真面目で確かな家づくりが特徴です。



また当会ではさいたま市や久喜市で相談会を実施しています。どうぞご利用ください。





関東:石川 克茂


山林環境もサステナブルであってほしい

 山林資源に恵まれた日本は、林業など家づくりを支える

地場産業の発展を促して、地域の繁栄に大きな役割を果たしてきました。




 古くから日本で行われてきたこの、地域の、地域による、地域のための

家づくり文化を私たちは「地の家」と呼び、家づくり文化の復権を目指しております。

当会は、地場産業の林業が活性化することも望んでいます。




 検査等で車で方々行くのですが、通った道路周辺の山林や里山に

ソーラーパネルが設置されているところを見かけます。

山林の斜面をわざわざ削ってまでソーラーパネルを並べて、

いわゆるメガソーラー発電所が出来ています。




 斜面下の家が危険に及んでしまわないか心配になるところもあります。

ただ放置しているだけのお金にならない山林を所有している地主さんが、

所有·管理にご苦労されているのは理解できます。




 しかし、山林につくったほうが低コストでソーラー事業が出来るという業者都合が理由で、

山林を選択するのは安易過ぎると思いますし、

他に開発済の放棄地のような場所はないものでしょうか。




 地面に太陽光が当たらなくなり、その下の土は栄養が不足し、

地中の生物は光合成が出来ないで死んでしまい、

周辺の生態系も壊されていく可能性もあるでしょう。




 また、パネルが老朽化で撤去が必要になった時、

あるいは発電企業が倒産してしまった時など、

その後に瓦礫の山として放置されることがないかも心配です。




 一度壊してしまった環境は回復するのに年月が掛かるので、

メガソーラー発電がサステナブルな良い発電方法であるのなら、

環境に対しても「サステナブル=持続可能」なものであってほしいと思います。

SDGs「15:陸の豊かさも守ろう」で森林伐採を警告しています。

やはり発電所は自然への負担が少ない方法で、

将来に“ツケ”を残さないものであってほしいものです。


関東:石川 克茂


地元の素材でこだわりの家づくりを

 家づくりにも地産地消を取り入れているケースがあります。

 一番わかりやすいのは、「木材」ではないかと。


 日本の国土の約67%が森林と言われています。

 それぞれの地元の木材を使用しての家づくりは良く聞くかと思います。

 家の骨組に使用するのはもちろん、窓や窓枠、建具、床、壁、天井、棚板、カウンター、家具等々木材はあらゆるところで使われています。


 また木材だけでなく、古来より陶器、紙、漆、織物、鉄器等々地場で作られているものも多数あります。

 最近は目にするのが少なくなっていますが、それぞれのものは家づくりでも使われているのです。

 意外と知らないところに地場の産業があったりしますよ。

 ぜひ調べてみてください。


 家づくりにおいて地元の素材を活用することは、地元の資源を活かすことになり、地域経済を支えることができます。


 また、家を新築やリフォーム・リノベーションするのであれば、その際のこだわりの部位を地場のもの使ってみることもお薦めします。きっと愛着が持てる家になるでしょう。


 よき家づくりを。





関東:大垣 康行


大工の減少危機

 大工の減少、高齢化が加速しています。
 5年ごとに実施される国勢調査で、10年で10万人以上減ったとのこと。

 また大工人口自体が減少している中、65歳以上に占める大工の割合は増したそうです。

 大工あっての家づくりだと思います。
 住み手のいろんな注文を受けて仕上げる高度な技術が要求されます。


 その技術は人を通じて伝承されることから独特の徒弟制度が生まれ、精進を重ねる職人気質や手抜きを嫌う職業倫理が培われてきました。

 そういう大工が手仕事で造る家が持つ豊かさに気付けば、大工の減少がどれだけ痛手か分かります。
 工場生産の家が氾濫する時代ですが、大工が手仕事で造る家づくりを実践する地域工務店の存在は残さなければならないと考えます。


 当会は匠文化の再評価をすべく、姉妹NPOの地の家ネットと地の家運動を進めています。

関東:石川 克茂


工芸を暮らしに


日本の伝統文化、それを支える伝統技術、これからも残すべき、伝えるべきものがあるのではないでしょうか。

地域の伝統工芸もそのひとつ。

関東の窯場のひとつに益子焼があります。飾り気のない素朴な色合いで、毎日の生活で使われる茶碗や皿といった生活に密着した陶器です。
陶器は「土もの」と呼ばれ、力強く、温かみのある印象があります。
こういった焼物産地の陶器を住まいの洗面ボウルにすることも魅力的です。

伝統工芸を暮らしに取り入れる。

家づくりで地域文化や産業と係わり、貢献することはいかがでしょうか。

関東:石川 克茂