自邸で気付かされた設計の第一歩とは
私は20年前に自宅を建てました。その時の話をしたいと思います。
我が家の土地は南側に道路があり、間口が狭く奥行きの長い「ウナギの寝床」と呼ばれる土地です。
設計の当初、間口が狭い事が気になり、たくさんの部屋に光を入れるにはどうするかばかり考えていました。
資金を投じて家を建てるなら、”もっと条件の良い土地に建てた方が良いのではないか”と考えるようになりました。
今の土地と同額程度で、条件の良い土地は無いかと探したところ、東南側に道路があり、南側が間口の広い最高の角地が売りに出ている事をたまたま知りました。
我が家の土地よりも多少値段が高かったけれど最高の立地でした。
すべての部屋に南の光を取り込める素晴らしい土地だと思い計画をしてみました。
ところが、欲が沸いて動線が長くなってしまい一向にまとまらないのです。
改めて我が家の土地を考えてみると土地の悪いところではなく、良いところが見えてきました。
一つの欲が消えて別の良さを見つけました。
おかげ様で最高の自邸を建てることができました。
それ以後は設計に当たって、「土地の良いところを見つける」事が設計の第一歩だと考えています。
東北:関 清