里山の小さな家は、家づくり援護会の本で知った(株)愛和の施工により完成しました。大きな満足と感動がこのリポートを書く動機になりましたが、実はほかにもリポートを書こうとした理由があります。
それは前述の姪の感動にもあるように、夏と冬の温度環境に対する驚きと電気料金に関する質問を、思いがけなく多くの人から頂いたことです。シンプルな方法とローコストで実現したこの実験の成果を、これから家を建てようとする多くの人々や開発投資ができない地場の工務店に活用して貰いたいと思いました。
加えて建て主はもっと勉強したほうが良い結果を生むということも、もう一度述べておきたいと思います。建築の勉強は専門性が高くてとても素人が齧れるものではないとする錯覚を、里山の小さな家の事例を報告することでいくらかでも払拭できたと思います。特に文科系からのアプローチは、技術的な知見がない人にも容易です。
これから家を建てようとする人が住宅の基本的事項について知識を持てば、家造りはもっと楽しくなります。知識があれば工事の瑕疵も建築途中で発見しやすく、それが悪質なものか、たまたま起きてしまったチョンボかも判断しやすく、無知ゆえのトラブルやストレスも回避しやすく、工務店との信頼関係も構築できます。
情報化社会の功罪で悪質な手抜きの事例が喧伝される一方、良心的な工務店は知識の乏しい建築主の疑心暗鬼や勘違いの指摘に手を焼いているという現実もあります。
家づくり援護会のような良心的な組織が、これからも出版やHPによる息の長い啓蒙活動を展開してほしいと思います。
目次
※実際の書籍の内容とは異なる場合があります。
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